古くは構造改革に始まって最近ではジェンダー平等って言葉がその典型だが、様々な事柄が海外から日本に入ってくる際に、「輸入業者」の思惑が働いて、本来の意味が変質するようなことが昔から多い。ここ最近ではジェンダー関連に関しそういうことが多すぎる。
昨日かな、TwitterのタイムラインにNHKの朝の番組で取り扱ったらしいFemtechの話が流れてきて、椅子から転げ落ちそうになったけど、Femtechというのは女性特有に起きる様々な事柄に対する健康管理における最新テクノロジーの話が中心なのであって、なんで自慰グッズやら体位の話とかになってんのよと。明らかに「輸入業者」におかしなのが紛れ込んでるだろ?
これは包摂的性教育でもそう。ユネスコの包摂的性教育って、本来は児童婚を防ぐ、または望まない性行為を抑止するという視点が中心の、社会構造的に弱者になる人たちのリプロダクティブ・ヘルス/ライツを学ぶことなんであって、今日本でやろうとしていることはネオリベが「善きこと」という仮面を被って、身体商品化を促進しているに過ぎない。保守は保守で自分らが信じる妄想的な性教育を教育現場に押し付けようとし、左派は左派でこんなことやってる。どっちも狂ってるとしか言いようがない。
今度、NHKがEテレで松本人志を使って性に関する番組をやると聞いたけど、今回のNHKによるFemtechの扱い見てるとわかるように、逆に疑問は起きないよね。同じ理屈でやってるんだから。左派と自称するならば、自己決定権自家中毒から冷めてくれないもんかねと思う。現場を見ろよ、労働の現場を。布団から出て、労働によって湧き出す汗を、人がぎりぎりで生きている生活の現場で流れる血や涙を、もうちょい自分のこととして感じてくれないもんかね、と思う。左派を名乗るならね。下手したら、右派と称している方が、表向きだけとはいえ、そこに歩み寄ろうする気配は見せてるよ。学者、法曹、文化人。そして政治家。ほんと、しっかりしてくれよと思う。