今日は、この街でずっと食堂を続けてきたおじいさんに、話を聞く機会があった。
終戦時に小学生。戦争から戻ってきた父がはじめた食堂を手伝い、やがてあとを継いで、息子に託して、今に至るまでずっと現役。もう高齢なのでさすがにあまり表には出ないが、看板メニューのうどんの味見は毎日続けていると言っていた。
生きてきたなかで街はどんどん変わっていったが、地元に愛されているのはもちろん、幸いにも観光スポットとして有名になったこともあって、今も変わらず同じ味を提供することができているとのこと。
家の味と外食の味は違う。外で食べたときの感動を忘れない人が居る限り食堂は続くさ… と戦後の十分な食事ができなかった頃を体験している人に言われると、重みが違う。
もちろん商売ではあるのだが、もはや人生そのものなのだ。こういう店こそが、人が地域で生きていくことのつながりが、この街を作っているんだと納得させられた一日。