三津田信三 著『首無の如き祟るもの』を読んだ。怪奇幻想作家・刀城言耶シリーズの第三弾。
調べてみるとシリーズ最高傑作と名高いので、第三弾までは順番に読もうと決めていた。一も二も面白くて好みだったというのもあるし。
本作は古くからの怪異が伝承されてきた村が舞台。旧家の跡取りをめぐって起こる事件に焦点を当てたホラーミステリー小説である。こういう話、大好き。やはり思い浮かぶのは横溝正史。
でもこの作品は個人的にホラー要素はそこまで強くなかったので、事件の謎解きや人間関係の部分に集中して読めた。
読みながらなんとなく推理をしてはいたけれど、読み終わってみればその推理がことごとく外れていて笑ってしまった。真相を見破るのは至難の業。
ミステリを読み慣れていないとはいえ、想像すらしなかった種明かしに新鮮に驚いた。ラストの伏線回収が見事であることに拍手したい気分だ。恐ろしさに身震いしながらも爽快に読み終えられた。
複雑に事情が絡み合うと、こういう怪異めいた事件になってしまうのだ。
絶対に当事者にはなりたくないけれど、因習村のミステリーってどうしても惹かれるものがある。シリーズ第四弾も読みたくなってきてしまった。
またいずれ。