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ヘルドッグスシリーズの完結編『天国の修羅たち』(深町秋生 著)を読んで思わず泣いてしまった。
私は映画から入ったので最初は俳優の顔が浮かんでいたけれど、設定が少し違うので三作目ともなると小説世界に没頭できた。

ジャーナリストが惨殺され、関東最大のヤクザ組織と警視庁をめぐって陰謀が渦巻く血なまぐさい話。
どこにも感情移入はしていないつもりだったけれど、自分のためじゃなく誰かのために動いている人々の、壮絶な生き様(もしくは死に様)を見ていると心が動かされてしまう。

完結編の主人公は、新たに登場した優秀な女性刑事。一作目の主人公が戻ってくるものと思っていたので意外だった。
でもこの人物が物語において重要な役割を担っていて、総仕上げに適任で、悪事にまみれた組織の中での「良心」だった。それになかなかハラハラさせてもくれた。

タイトルを見ていると一作目は地獄、二作目は煉獄ときて、三作目は天国で締めくくられているのだけれど、読後にこの意味を考えてグッときてしまう……。感想を書きながらも涙ぐんでしまう。よほどハマってしまったらしい。
人にとって何が救いかは分からないけれど、ここに書かれていたのは紛れもなく救いだと思ったのだ。

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