村田沙耶香『生命式』読了。
著者の小説を何冊か読んでいても新鮮に驚かされる部分が毎回あるのだけれど、なんとなく分かる!と思うところと、これは無理かも……と思う境界線が自分の中でだんだん曖昧になっていく。最初に作品を読んだときと比べると随分受け入れられるようになってきている。でも個人的に、食事の前後には読めないかもしれない。

女二人の友人関係から家族になる話や、女子中学生が自分の体と性について真剣に考える話、常に他人に合わせていて自分の性格がない女の話などが特に印象に残った。所謂ディストピア飯の話もユーモアがあって面白かった。
基本的に主人公はほぼ女性で、同性である私には想像と理解がしやすく、彼女たちが自分らしく生きているのを見ると励まされる部分が大きい。我慢しなくていいよと応援する気持ちになってくる。

著者の一貫した世界観から発せられる言葉を摂取していくうちに、世間の常識が脆いものであることにいつも気付かされる。
読む度に自分の頭が凝り固まっていることにハッとするし、普段何に影響を受けて生きているか改めて考えさせてくれる。
ひとりひとり、誰に許されるでもなく色んな価値観を持っていていい。そう思える短編集だった。

kawade.co.jp/sp/isbn/978430902

「生命式」(村田沙耶香)に関しては、もうのっけから『うげっ!』て感じでした。
でも、『「コンビニ人間」は好きなんだけど、これはちょっとなあ』と思いつつ読み進むうちに、『ん?ありかも』と染まっていく自分が居る。
が、しかし、もう一回表題作「生命式」を読むと『うげっ!』なのである。(笑)

フォロー


あはは😂
いや、そうですよね。読み始めて私もすぐ「え?!」って思いましたよ。こういう驚きってあまりないからもう楽しんでしまってるんですけど。笑
ご丁寧に一般的な調理方法を教えてくれるところは、知りたくない情報だったと思いました :ablobdundundun:

コンビニ人間わたしも好きです〜。一気に読んだ記憶がありますね :blobcataww:
だんだん洗脳されてきてるかもしれません :Shiropuyo_thinking:

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。