ヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転』読了。
ホラーが苦手でも読める恐怖小説。
読んで想像するという読書の楽しみを思い出させてくれる作品で、幽霊の怖さというよりも、心理描写や人間同士の駆け引きが面白い。
両親を失った幼い兄妹が伯父に引き取られ、イギリスの片田舎の古いお屋敷に暮らしている。その兄妹の家庭教師となった女が遺した手記に、お屋敷で経験した恐怖の一部始終が綴られているというお話。
まるで天使のようで神々しいと称される子どもたちがこの上なく愛らしく、読めば読むほど美しい佇まいの少年と少女。本当によくできた子どもたち。
思わず抱きしめたくなる可愛いセリフもあった。この二人を守ってあげたいと、家庭教師が使命感を持つのも分かる。
家庭教師の手記はどこか品がありその人柄を表しているように思うが、肝心なところで言葉を濁して、何も断定していないので曖昧な点が多くあり、そのぶん解釈の余地が残されている。
書かれていない部分は想像力を働かせるしかないが、この不確定さが魅力であり最大の効果を発揮していて「何が潜んでいるのか底知れない」と読者に思わせる。
特に物語後半からはその語りに引き込まれ、次第に意図が分かり寒気をおぼえた。
返信
@ShinKaonio
曖昧な点が多いし「つまりどういうこと?」と思って読み終えましたよ〜!
男の子はなぜ死んでしまったのか🤔
でも天使のような子どもたちが徐々に狡猾で恐ろしい存在に思えてきて👻 具体的な事件もないのに不気味と思わせるところがすごいなと思ったんですよね〜。
解釈色々ありそうだし……何か分かったらまた教えてください😆