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ブラッド・ミュージック
グレッグ・ベア 著/小川隆 訳

バイオチップの研究所で人知れず、哺乳類の遺伝子実験を進めてきた天才研究員ヴァージル。彼が密かに生み出した新種の知性ある細胞をめぐるSF小説。

倫理観の欠如した人間が欲のために危険に足を踏み入れてしまうのがリアルで想像できる。こうやって人は後戻り出来なくなるんだなと思いながら、身震いするような恐ろしさに追い立てられて前半を読んだ。
コロナ禍を経験している今だから想像以上に身近な内容で、全部現実にあり得るなと思う。想像力を働かせてミクロの世界を体感していった。

1985年の小説だが新鮮な衝撃があって、特に終盤は何度もページを戻って読み返した。それでもまだ読み足りない感じ。
今現在の人間の価値観で受け入れられる進化は、宇宙規模で見ればほんの些細な差程度でしかないのかも。作中の女性たちの自由さが好きだった。もし私が進化の選択を迫られたらと考える。たぶん迷わずこれまでの執着を捨てるだろうと思う。

フォロワーさんがおすすめしていた本だが、この小説からヒントを得て生まれたという他作品の理解も深まり良かった。どれが元ネタで、とかを全然知らないので情報をお持ちの方は気づいた時に是非教えてください(と言って積読を増やしていくのだった)

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