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若松英輔 著『考える教室 大人のための哲学入門』読了。
ソクラテス、ルネ・デカルト、ハンナ・アレント、吉本隆明の書が紹介されている。哲学の細かな内容というよりも、考えることの面白さや対話の重要性、哲学に向かう姿勢を学んだ。
自分が無知であることは承知しているものの、それが偏った思い込みに繋がっているのを実感して恥じ入った。
4名の中でも吉本氏については著者と交流があったようで、紹介する言葉にもあたたかみが感じられた。著者の言葉には他者に対する温度があって、本を通してしっかりと届くところが素晴らしい。
噛み砕かれたものを読んでいると、共通して人間への興味関心が強くあるように思った。なんというか、人間が好きじゃないとこんなこと出来ない。それとも著者が「そう読んだ」からなんだろうか。
この本では、自分ならどう読むかという視点や、自分にとってもっとも重要な問いを見つけ考えを深めていくことが推奨されている。哲学書に解答を求めず、人生を通して自分で考えていく。考えることは悪いことじゃないと思えた。
まずはスタート地点に立つために、読みやすい本であったかなと思う。
本の締めくくりに書かれている読書ノートのすすめを真似してみたい。向き合い、読み続けて、いつか血肉になるような本に私も出会いたい。


私が以前読んだ哲学関連の入り口の本「ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙」も読んでて面白かったです。ノルウェイの高校の哲学の先生が書いた本でファンタジーのようなミステリーのような哲学入門の本。中学生の女の子ソフィーのもとに謎の手紙が届いて読んでみると~…みたいな物語形式で話が進んでいくので、肩肘張らずに読み進めることができました。これもスタート地点の本でよかったですよ。

古代から現代まで2000年以上の思想の流れ、有名な哲学者たちがどう考え、どういう思想で、どういう過程を経て今に至ってるのかをひととおりザッと教えてくれて、そして読者にも考えさせる。なかなか印象深い本でした。

たくさんの哲学者に触れていくので、それぞれを深く掘り下げていくわけではないのですが「そういう人たちがいて、世界をそんな風に捉えていたんだ」ってのがザッとわかって、その中で興味を持った人の本を手に取るきっかけとしていいかもしれません。

上下2巻
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あら、今ならKindle本上下2冊で1000円切ってますわ。どこぞの高級書籍の「三体」一冊分ですわね。ずいぶんお得なお話でエリンさんうらやましい限りですわ。

間違って「ソフィーの選択」のブルーレイとかDVD買っちゃだめですよ。あれは全然違うナチスのホロコースト映画です。メリル・ストリープの傑作の1つでとても良い映画ですけど微妙に別物なのです。

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