筒井康隆 著『家族八景』読了。
住み込み家政婦業で8軒の家庭を転々とし、その人間模様を覗く。普通に働くだけでもその家庭のことはよく分かると思う。それに加えて主人公の七瀬はテレパス(精神感応能力者)だから家庭の事情が筒抜け状態。相手が心に思ったことなら何でも分かってしまう。そういう連作短編集。
ある程度人間は「目は口ほどに物を言う」けれど、ここまで直接的に思考が読み取れてしまうとメリットよりもデメリットが上回る。あえて言わないことや言えないことが沢山あるのが人間だ。相手の気持ちが分からないのは人間社会をうまく回すために神様が配慮したんだな……って思えてくる。
特に読み応えがあったのは「紅蓮菩薩」。子どもが産まれたばかりの新婚夫婦の話で、幸せの絶頂のはずなのに波乱が巻き起こる。燃えたぎる人の心が目に見えるようで惹きつけられた。
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@erin@fedibird.com 七瀬さんシリーズ読んで、筒井康隆ぼちぼちつまみ食いした記憶があるのですが、今考えてみるとほとんど何も…いや全然一冊も中身覚えてないかも!笑 沈黙みたいに語り合えることが何も思いつきません笑
SFは好きなのですがよほどインパクトが強くて深く考えさせられるものじゃないと、荒唐無稽な話も多いのでその場限りのエンターテインメントって感じであまり記憶には残りませんですわのよね…
@soda
読んでしばらく経つと忘れますよね〜私も結構読んだそばから忘れていくし、酷いことに作品によっては読んだこと自体忘れたりもします
記憶に残るような普遍的な価値があって、自分の好みにも合う本に出会うのは稀ですよね。
SFは最近読んだ『三体』シリーズが好きです。難しかったけど……
@erin@fedibird.com しっくりくる絵文字リアクションが見つからない悲しみ