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小説自体は巌窟王(モンテ・クリスト伯)に着想を得て男女をいれかえた、それでいて軽い読み物だった。
以下は私もそう思うという部分。ストーリーとは関係ない。
「まるまると太った、白い顔がそこにある。
 でも、じっと見ているうちに気づいた。瘦せていたときよりも、肌の調子がいい。
 大してスキンケアもしていないのに、悩みだった乾燥もほとんどなく、つやつやとしている。
 しばらく考えて気づいた。ほとんどメイクをしていないせいだ、と。  仕事をしていたときは、一日に何度もメイクをして落として、を繰り返していた。エステティックサロンには通って、手をかけていたが、それよりもずっと、なにもしない方が肌にいいのかもしれない。」

—『岩窟姫 (徳間文庫)』近藤史恵著
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