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吉田千亜『孤塁 双葉郡消防士たちの3・11』。
宮城県で地震被災のみの私は、当時は情報と隔絶されていて、何が起きているのかわからなかった。情報のかけらを耳にしても、自分の明日がどうなるのか、どうしていけるのかで精一杯だった。
 いま、こうして、当時の双葉郡の状況を、当時の消防士さんたちの証言で読むことができて、なんとも言えない気持ちになる。核燃料再処理施設を有する県育ち、また、宮城県にだって原発はある。双葉郡は他人事ではない。消防士さんたちも地元育ちの被災者であるという事実。若い消防士さんたちが何度も証言に出てきた。彼らの葛藤は当然だ。
 東電への怒り、被災地差別。終わったことではない。
 読むことができてよかった。

honto.jp/netstore/pd-book_3215

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