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 本当は就職をしたかったのだ。
 みんなと一緒に机を並べ、残業なんかもこなして、たまに、同僚からのお土産が電話の横かなんかにちょこんと置いてあって、それで、「いいなあ、山田さんは北海道に行ったんですね」などと、となりの人と話したかったのだ。

 でも、できなかった。
 一度レールから外れてしまうと、社会は、まったくといっていいほど、ぼくのことを信用してくれないのだった。

島田潤一郎『あしたから出版社』 13-14頁

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