人生がハネムーンサラダの実みたいになってきました(同居状況を除く)

一瞬、インターネットで仕事をしようかと考えて情報を集めていたのですが、諦めました。やっていける気がしませんでした。インターネットを介して(も)人とうまくやり取りができなかったから、こういうブログや個人誌を書くようになったのだということを忘れていました。

はてなブログに投稿しました

休職したり退職したり就職できなかったりした人の話 - hesperas dismal-dusk.hatenablog.com/ent

 そのうち、Iは、なにもかもに疲れ果てたような顔になった。同時に、怒りっぽくもなった。居酒屋で接客態度が悪い店員に出会うと、「ふざけんなよ」と相手に聞こえるくらい大きな声でこぼすのだった。
「やめとけよ」というと、「ああいうやつらは、仕事をなめてるんですよ」といった。
 酒を飲んでいると、Iは、たいてい途中で眠りこけた。そして、口ぐせのように、「もう早く死にたいですよ」とつぶやいた。

島田潤一郎『あしたから出版社』33頁

前の投稿を残しておくのがなんとなく嫌なので、とくに何もないですがtootします。

19歳で自宅から飛び降りて亡くなったあの人は正しかったと思ってしまう瞬間があります。もう当時の記憶が薄れているのもありますが。

今日も何も変えられなかった。明日もきっと変えられません。相変わらず個人誌を作れる見込みはありません。

作中でまあひどい扱いを受けるI.P.Dというカテゴリのキャラと自分を重ねるのは傲慢に思いもしますが、一日こういう気分でした。
変にひねった言葉がなくて、印象的な台詞だと思います。 [参照]

"ねえ、…私たちI.P.D.って、何のため
にこの地上に生を受け、どんな祝福を受けて
いるんだろう。"

"人々に嫌われて、恐れられて
中和剤打たれて隔離され
そして削除されていく…。"

"私たちが生きてきた意味は?
私たちは…この世界にとって、要らない子?"

『アルトネリコ2』ココナ・バーテル

作品の良い紹介になっているとはあまり思いません。明るく楽しい側面も多い作品だったのに、そこに光を当てることができませんでした。

木尾士目『げんしけん』(漫画版)について - Drafts
hesperas-drafts.blogspot.com/2

冒頭がかなり突拍子もなく理解しがたい作品ですが、キャラクターが出そろった5巻あたりから面白くなってきます。こういう作品の売り方は、細切れに買いがちな今だと難しいかもしれませんね。フルーツバスケットのようなキャッチーな仕掛けもないし。

高屋奈月『星は歌う』を久々に読み返しました。6巻の聖とサクヤの会話は刃のように研ぎ澄まされていて、何度読んでも良いです。こんな高校生いないだろとも思いますが……

 本当は就職をしたかったのだ。
 みんなと一緒に机を並べ、残業なんかもこなして、たまに、同僚からのお土産が電話の横かなんかにちょこんと置いてあって、それで、「いいなあ、山田さんは北海道に行ったんですね」などと、となりの人と話したかったのだ。

 でも、できなかった。
 一度レールから外れてしまうと、社会は、まったくといっていいほど、ぼくのことを信用してくれないのだった。

島田潤一郎『あしたから出版社』 13-14頁

私が、作品やキャラクターに傾倒することを考えるときいつも思い出すのは、売野機子『ルポルタージュ−追悼記事−』3巻の日比野あかりの生活です。SNSがある世界であの実践は難しいかもしれませんが、彼女のような態度に似たものを常に持っていたい、少なくとも度外視するような文章は書きたくないと私は思いました。

特定のゲームやアニメが本当に好きな人の中でも、こういう種類の言葉を読むと元気が出ます(私はアイドルマスターシャイニーカラーズをやったことはありませんが)。現代思想も文芸批評家も必ずしも持ち出さなくていい、スタッフが誰とかいう話も必ずしもなくていい、自分の作品体験を大事にしている文章が読みたいと思います。

note.com/lareproduction/n/n3e9

私は私の役に立つ文章を書きたいと思ってきました。しかし、ここ数年の私の文章の健全すぎる精神というか、よき社会人であることを自明としてモノを言う感覚には懸隔というより嫌悪感すら覚えてきます。
もっと様々な状況の人にも届くような文章の書き方をしたいです。それは易しく書くということではなくて、『傷を愛せるか』のような、苦しみのなかにいる人も警戒せずにいられるような感じを出したいということです。
まあ、苦しいときに本なんて読まなくていい、耳栓でもして寝ろというのがおそらく正しいのでしょうが……

私がここ数年書いてきたものは、何についてであれ、ある程度安定した収入を得て生活し続けるとともに、社会的地位とその責任を果たし続けることが前提にありました。その前提から決して外れないように、創作をしたり、親密な人と関わったり、植物のことを考えたり、ネットで自虐する人を見守ったりする方法を考えてきました。だから、私はその前提がなくなったときのこと、働き続けるのが無理になったときのこと(あるいはそうなってしまった人のこと)はあまり考えていませんでした。

働き方について思い悩んでいる中で手に取った本がとてもよかったので紹介します。自分語り多めです。

退職と再起――小太り『やりがいを捨てたら仕事が楽になった』 - hesperas dismal-dusk.hatenablog.com/ent

点滅社の人のnote見ると不安になりますが、エネルギッシュな人が多そうな編集・出版界隈で、こういう人も当然にいるしやりようはあるんだと思えるのは希望でもあります。続いてほしい。

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