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知能の高さは幸せに、豊かに生きるために必須のことなのか、それよりも、誰かに愛情
を注いだり誰かの愛情を受け止めたりするのにも能力が必要で、それこそが大事なのでは、と問いかけられる小説。

主人公チャーリーに対する周囲の人々の言動に、批判と共感とを覚えている自分に気づき、胸に手を当てて我が身の越し方を振り返ってみたり、考えさせられることが多かったです。
知能の高い低いに関係なく、一人の人間として扱ってほしいと訴えるチャーリーの言葉が沁みる。一時的に手に入れた高い知能を失っていくチャーリーが、養護施設への入居を決断するシーン。手術を受けないままで同じ境遇を辿るチャーリーとはおそらく心の持ちよう、覚悟が全く違うはず。幸せであれと願わずにはいやれませんでした。

チャーリーの知能の変化を文章で見事に表現している、おそらく著者、翻訳者の両方の力量もすごいと思いました。

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