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山尾悠子さんのエッセイ集成『迷宮遊覧飛行』(国書刊行会)を手にいれた。

『SFが読みたい!2023年版』にて『旅書簡集 ゆきあってしあさって』もランクインいただきました。ありがとうございます。「2023年のわたし」コーナーにも書いています。

ハン・ガン著 斎藤真理子訳『すべての、白いものたちの』が河出文庫になったんですよ。雪の結晶みたいな言葉で書かれた、様々な白さをめぐる連作散文詩として読み進むうちに、喪失と再生の物語が立ち現れてくる。単行本で読んだときは付箋だらけになりました。
平野啓一郎さんによる解説「恢復と自己貸与」、斎藤真理子さんによる「『すべての、白いものたちの』への補足」が新たに収録されています。

イアン・マクドナルド著 下楠昌哉訳『時ありて』(早川書房)、すごくよかったです。古書に挟まれていた手紙をきっかけに、第二次大戦中のふたりの男のロマンスについて調べ始めるも、新たな資料が増える度にあり得ない謎が増え――読み終わった後にも物語の数々が立ち現れてきます。マーテロ塔が出てきたり、とジョイスの『ユリシーズ』も顔を覗かせる。
カバー下の装丁が、作中に出てくる本「時ありて」になってるのもすてきです。

ホセ・レサマ=リマ著 旦敬介訳『パラディーソ』(国書刊行会)やリチャード・パワーズ著 木原善彦訳『惑う星』(新潮社)などを買いました。

京都にいたのですが、駅の階段が凍ってすべりまくり、手すりにしがみつきながらヨボヨボと下りました。

高山羽根子さんの新刊が出るのも嬉しい。『パレードのシステム』(講談社)

古くて奇妙な集合住宅、望楼館に住む癖のありすぎる孤独な住人たちの物語。いつも白い手袋をしているフランシス・オームが、生きた彫刻の面接を受ける場面とか、奇妙なエピソードの数々が最高なんですよ。ラストの「フランシス・オーム愛の展示品」の箇条書きの品々を眺めてるだけで幸福感が。

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エドワード・ケアリー著 古屋美登里訳『望楼館追想』(東京創元社)が、創元文芸文庫の翻訳部門第1弾としてとうとう復刊するんです(1月27日頃発売)。めでたい! 文春版に続いて影山徹さんが新たに装画を描かれ、ケアリーさんの挿絵も増え、皆川博子さんの解説も再録されています。これが売れて『アルヴァとイルヴァ』の方も復刊されることを願うばかり。

作中に「肩で息をしている」と書いて、それ怖い、と思ってしまった。

小川哲さんと千早茜さんが同時受賞とのことで、本当にめでたい。どちらの作品も素晴らしかったんですよね…

人が次々とクジラの近くまでやってきては、打たれたようにしばらく立ち尽くしたあと、名残惜しそうに振り返りながらさっていく。「溺れた巨人」で目に浮かべていた光景のようだった。

Aのキーだけなぜか爪があたって削れてしまう。前に穴が空いてしまったので、こまめに爪を切るようにしていたのに。

確かにクジラの背びれっぽい影がちらっと見える。

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