リカルド・アドルフォ著 木下眞穂訳『死んでから俺にはいろんなことがあった』(書肆侃侃房)、不法滞在している言葉の通じない街で、妻と子と共にちょっとしたことから道に迷ってどうやっても家に戻れない悲哀が、ユーモラスな語り口で描かれていて、すごくよかったです。

装画(小山義人)からいいんですが、ほんとにこんな雰囲気。ブコウスキーが書いた『エペペ』みたいとも思いました。語り手は過去の経験のせいか妄想気味にいろんな可能性を考えすぎるあまり常に裏目に出る選択ばかりしてしまうんですね。地下鉄の場面には笑った。妻とのやりとりも妙にリアルでいい。

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若い頃にアメリカを旅行したとき、泊めてもらってる家にバスで夜に帰ろうとした時の怖さを思い出したりもしました。夜で町並みの印象が変わっている上に、車内放送がないので遠くの標識を見るしかないのに暗くてよく見えず、ずっとどこで降りるべきなのか緊張しっぱなしで。

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