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チョン・イヒョン著 斎藤真理子訳『優しい暴力の時代』(河出文庫)を頂きました。単行本で読みましたが、優しい暴力の時代を生きる市井の人々を描いた粒ぞろいの作品集ですばらしいです。作者唯一の自伝的作品という「三豊百貨店」はとりわけ忘れがたい。

たくさん書き写したので、いくつか引用します。
〝人間には人間が必要だ。恨むために、欲望するために、打ち明けるために。〟
〝私、子ども産みに行くから。そう留守電を残すと、今この瞬間、私は自分の人生の中でいちばん独立しているという気分になった。〟
〝あー、痛い! すごく痛い! ママ! ママ! 子どもはすがるように母親を呼んだ。この子が呼んでいる「ママ」というのはほんとに私のことなのか? または、悲鳴の代わりに叫んでいるだけの言葉なの?〟

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