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川野芽生さんの『Blue』(集英社)、すごくよかったです。「人魚姫」を翻案して上演する高校の演劇部員たちが、人魚姫の表象するものを深く読み解いていく(いろいろはっとさせられた)につれ、最初は台本のように名前と台詞のみで書かれていた部員たちが、トランスジェンダーの真砂を軸に奥行きを増していく。人がいかに表層的な枠に相手を押し込んで真っ平らに均そうとするのか、それがどれほどの苦しみをそこに収まらない人に与えるのかを体感させられる。

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