大濱普美子『猫の木のある庭』(河出文庫)いやー…すばらしかったです。古い家、異国のアパートメント、銭湯とその二階の部屋、アトリエのある家、など細密画のごとく丹念に描かれる空間性と、人とのさりげないやり取りの積み重ねから立ち現れる幻想――
「フラオ・ローゼンバウムの靴」のふくふくと増していく肉の描写、「浴室稀譚」の部屋とつながる銭湯の構造や人気のない湯船、「たけこのぞう」の気風よく潔い画家の母親、など書ききれないほど印象に残る。独特な比喩の数々も楽しく、付箋がすごいことに。
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