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きっとアルバイト先ではいい塾の先生なんだろうなと思わせるような学生が、大学の演習発表などで「うーん、それはちょっと違う」と思わせる発表をすることがある。思えば自分が学生の時にもそういう発表を見た。文脈を無視したしゃべり単体で見れば、非常に流暢に堂々と話しているのだけど、なにか場にそぐわない印象が残るタイプのスタイルです。

このスタイルの発表は、本人が腕に覚えがあるように感じている気配もあるので、評価が難しい。だいたい他の学生も圧倒されて「すごかった」くらいは言うのだけど、ちょっと引いていることが多い。

そのそぐわなさはなんだろうと思いますに、「学校の先生が生徒に教える」という談話スタイルになっているからでしょう。目的が「分かっていない人に分かるように教える」というスタイルなので、理解を確認するような話法が、声も含めて随所に入る。

大学の演習発表は、学会の研究報告なども含めて、「聴衆から教えてもらう」ことを目的にするのが本質なので、方向が真逆なのですね。やや今風に言えば結果をシェアし、コメントをもらって、場に差し出した話題に関する知見を豊かにすることが目的であるから、「教える=知識を授与する」というスタンスになるとすごく変な感じになる。

学生の自負心を壊さないように指導するのはなかなか骨です。

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