文化庁が国語教育にかんする諸問題について、現場の先生方の「研究協議」することを目的とした国語問題研究協議会に出席させられたことがある。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/kyogikai/index.html
全国から小学校〜大学の教員が集まるイベントだった。全国持ち回りで教育委員会が実施担当を受け持ちする形だったと思う。冒頭に、当該県の長(何の長だったかは忘れた)が、本日は(登壇した文化庁・文科省の人たちに)ご「指導」いただく機会を得ました、本日はご「指導」よろしくお願いします、と発言して驚いたことをよく覚えている。
私自身は常用漢字は目安に過ぎないもので、とめはねなどの○×問題は本質的には意味がないと思っているし、その点では文化庁の方針に異論はないが、建前でも「研究協議」という場で「指導」という言葉を使うあたりに、現場(の長)には強烈な上下関係が内面化されてるんだなと思った。
いちおう形だけのグループワークがあって、協議っぽいことはする。で会場にいた千人以上の参加者の多くが文化庁の方針に異論ありとしていた。これが現場との乖離というやつかーと思って、着地点をどうするのか眺めていたら、形としては結局文化庁は折れなかったと思う。なるほど、これがお役人の世界だと思った。(1/2)