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(続き)もう1つは2021年に世間を賑わせた、マックスプランク人類史科学研究所が中心になった国際研究に関することで、例の「日本語の原郷は中国東北部西遼河流域の農耕民というやつ。言語学畑からは冷笑的に受け止められた節もあり、言語学界隈からは続報を耳にすることはあまりない。
studyu.jp/feature/theme/japane

結局の所、進化人類学と言語学では研究対象を観察する解像度というかスコープが違うので、ただちには双方が納得するシナリオには合意できないだろうけれど、うまいこと着地できれば嬉しい。で、本書に拠れば、確かにDNA的根拠と文化人類学的な知見を重ね絵のようにしてみると、そういうシナリオが見えてくるのは分かった。

言語学の実証的な記述研究からこれに直接に接続できる研究があるとは知らないけれど、高句麗地名と日本語のつながりを見いだそうとする研究、伊藤英人氏が追いかけている「濊倭同系論」などは遠いつながりを感じる。

いやー、それにしてもレビューにこれだけの投稿数を使うことからも分かるように、大変刺激的でした。日本語研究界隈では日琉祖語がホットで、日本語系統論はあと数年のうちに違うステージに進むでしょう。その時には今以上に進化人類学者と幸福な共闘が進んでいるんだろうなと思ったりしました。(3/3)

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