うなぎに関するニュースの街頭インタビューで、「こんなに高くなっちゃあ、ひょこひょこ食べられない」という声と、字幕が。
「ひょこひょこ」は、例えば足を悪くした場合に不規則な動きをする、といった感じで自分は使います。しかしこの話者は比較的密な頻度、というほどの意味、つまり「ちょくちょく」の意味で使っていると思われます。
オノマトペは臨時性が高いから、かなり自由に使える面はあるけれど、んー、ひょこひょこが使えるかというと使えないほどではない。この文脈で「ぽくぽく」とか「もぐもぐ」などは使えないから、「ひょこひょこ」は許容の範囲かな。音象徴がそれを許しているのでしょう。
そういえば宮沢賢治の「クラムボンはぷかぷか笑った」というあれ、以前方言研究会で、作者の独創性ではなくて地域の方言であるという発表を聞いた記憶がある(あいまい)。「ひょこひょこ」の話者はいかにも東京風な人だったけれど、関東地方における気づかれにくい方言の可能性もあるな。
東北地方の方言オノマトペをまとめた文献を参考まで。
https://www2.ninjal.ac.jp/past-publications/publication/catalogue/onomatopoeia/tohoku_onomatopoeia.pdf