卒業式も終わり、娘の進路も決まったところで家族の時間が取れた。Everything Everywhere All at onceを見た。中国系アメリカ移民の家族の物語があり、母娘の葛藤と、中国の伝統的な価値観とアメリカ的と言ってよいか新しい価値観との対立があり、そのうえにマルチバース的世界観が乗っかってくるSFだった。
事前に聞いていたドタバタ感とアクションコメディも見応えがある。最初は情報量が多すぎて、物語に入り込むまで少し混乱が続いたが、家族の物語が大きな道筋と理解してからは安心して見通すことができた。多様な読み解きが可能とは思うが。
90年代に学生時代を送った者としては、エヴァのような物語構造にどうしても重ねてしまう。父と息子の物語、内的世界と世界の破滅がつながっている—後にセカイ系と呼ばれる「型」、多くの共通点があったようにも思う。上映後、妻が「マンガみたい」と言っていた。確かにマンガで繰り返し見たような既視感はある。
欧米ではどうだろうとふと思って、マンガ「I KILL GIANTS」を思い出したが、あれ映画化されてるんですね!マジかよ。映画はあまり見ないので知りませんが、アメリカにおけるセカイ系の受容の嚆矢じゃないですかね。知らんけど。