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これもいまさらだが最近ロバート・キャンベル編『日本古典と感染症』を読んだ。古来、パンデミック、災害が訪れるたびに、怪異のせいだの天罰のたぐいだのという流言飛語が出てくる。我々が人の手ではどうにもならない苦しみに出会ったときに、人を超えた存在を作り出して、その都度安寧を得てきたことがよく分かる。

素朴に『すずめの戸締まり』を見れば、茂木氏が先のリンクで述べるような天譴論的思考であるとは言えるだろう。しかしそれが批判として成立してしまうのは、歴史物語には当事者性が伴わないからであって、今もまだ被災の記憶が生々しく残るなかでは、「人の不在によって怪異が起こる」だの「人の心の重みが土地を鎮めている」だのという与太はまだ早い。(1/2)

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