アマプラでアッバス・キアロスタミの「オリーブの林を抜けて」を観た。冒頭から監督役を名乗る人物が現れて映画内で映画撮影を始める劇中劇の構成。ただ、この撮影の進行がとてもゆったりというか場当たり的というかで、しかも劇中俳優が監督の指示に従わず個人的な理由でセリフを口にしないので撮影はリテイクにリテイクを重ねるけど、監督はあまり気にする様子もなく現地の人々との交流に勤しむ。やさしい世界。

で、物語の根幹は劇中劇の外側にあって、主役の男女2人のラブストーリーというか、男の側の一方的なアタックというか、これは言い寄られている女子が大変そうなんだけど、文化も社会も我々とは違うのだろうから、そういう見立てで正しいのかは分からないまま。

まあ、このディスコミュニケーションの具合は、前に観た同監督の「友達のうちはどこ?」と同じなので、イライラ度は前ほどではないけど、やっぱりイライラするよ。

あと「友達のうちはどこ?」の主演少年が背丈も伸びて大きくなった姿で脇役として登場。また、少年が走り回ったジグザグの坂道が今回も出てくるなど、本映画で完結しない物語の作りになっていて、けっこう楽しめた。

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。