あたしに言わせると「前株」「後株」ってのは常識でもなんでもなくて,ある業界内で通じる業界用語の類だと思っているんだよね。
どんな業界かというと「会社勤めで経理とか総務とかで領収書を発行したり銀行振込なんかを仕事にしている人」「自営業で領収書を発行したり銀行振込なんかを仕事にしている人」限定。会社勤めでも自営業でもそういうことを仕事にしていなければ,そんな局面にはなかなかならない。

もともと会社の本名とも言える「商号」には会社法6条2項で「商号中に」株式会社とかを入れないとだめなんですよ。
ところがたいていの人にとっては,株式会社が前についているかあとについているかなんかはたいてい意識していない。それが証拠に,ソニーだサイバーエージェントだTBSテレビだフジテレビだ日本振興銀行だ新銀行東京だ京浜急行電鉄だ三井住友銀行だと言って話が通じるし(ちなみに最後の2例は実は卑怯だ),実のところさっきの業界の人だって,とっさに出てくるとは限らない。でも,請求書だ領収書だとかいう書面には基本的には株式会社と書かなきゃいけない,確認の必要がある。銀行口座名だって一緒だ。銀行口座にいたってはフリガナのところが「カブシキカイシャ」ではなく「カ)」か「(カ」になっている場合すらある。(そしてカブシキガイシャだとはねられる場合すら。)そんな時に「正式名称はソニー株式会社ですか株式会社ソニーですか?」ってフルで言うより,「ソニーは前株ですか後株ですか」って言った方が話が早い場合があるし,確認したい事項が明示されるというメリットがあるし,話が早い相手だからこそそういう言い方をするわけで……。(「ソニーは後株です」と言えば済むのも同じ筋。)
これ自体は合理性のある行為だから,業界外の人があれこれ言ったところで,業界内の人は使い続けるだろうね。

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@SASAKIMasatoHKD 法律できまっている用語ではありませんでしたのね
‥‥ということは、"中株" もありえるのかしら?

中株の実例もあると思います。(あるって話は聞いたことあるけど,自分で登記簿を確認した実例としてはない。)なにせ,会社法の例の規定では「商号中で株式会社を使え」としか決めてなく,前か後かでなければならないって規定ではないので。少なくともそういう登記申請をして登記官が却下できるものじゃないし,登記官が却下しなければ……登記されるよね。そのとおりに。
あと,口座名が「○○株式会社○○営業所」になっている場合には「中株」になりますが……でも,これはあんまり実益がない……。(カナ表記で(カ)になるくらいで,その場合にあえて中株ですって言うくらいかな。念のために。)

@SASAKIMasatoHKD なるほどですの。意外と融通ききますの
英語表記だと決まってますのに不思議ですわよね

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