フォロー

読書タグで「台湾漫遊鉄道のふたり」の感想見かけたので私も感想を。ネタバレあるので隠します。 

楊双子「台湾漫遊鉄道のふたり」読了。

昭和13年、日本統治下の台湾。作家の青山千鶴子は通訳として雇われた王千鶴と台湾各地を講演旅行しながらグルメを堪能。その過程で二人は少しずつ親睦を深め、頑なな仮面が外れかける場面はあれど心を完全に許すことはない千鶴の心の内、戦前としては先進的な考え持つとはいえ統治する側にいる千鶴子とのズレが読者だけにわかるようになる仕掛けとなっていて読みながらやきもき…。とはいえこの時代では最大限のハッピーエンドで、その後の二人の未来のつながりにぐっとくる今年ベスト本候補!

台湾には歴史百合小説というジャンルがあると知る。この作品もそうで百合小説にふさわしい甘酸っぱい場面も。今ではなくなってしまった台湾の観光スポットも昔日を忍ばせ歴史小説としても良作。

ただ、語り口はライト文芸のようで、とても読みやすいけど、歴史の重さが横たわり、二人の意識の差の断絶も浮かび上がらせる。

まるで日本の作家が書いたように錯覚するけ、ど実際最初はそう謳われて発売され信じ込んで購入した読者とひと悶着あったと解説にあって、確かにこれなら間違えても仕方ないと思うほどの出来。

読書タグで「台湾漫遊鉄道のふたり」の感想見かけたので私も感想を。ネタバレあるので隠します。 

今月中旬に発表される、日本翻訳大賞に最終ノミネートされている作品なので、翻訳も原書の雰囲気忠実に訳している感じでとても良いです。

出てくる台湾料理は本当に美味しそう!!!
この中でいちばん美味しそうだった舌平目はちょっと無理かもしれないけど、そのほかは代替品で材料揃えることできそうで作れそうな料理を紹介。

228頁にある、王千鶴が「伝説級の女性料理人が作ってくれたまかない料理」として青山千鶴子に語る蛤仔煮麺(ガッパァツゥミー)

作り方は「さいの目切りの豚肉とみじん切りの青葱を強火で炒め、蛤と扁魚酥【舌平目の干物を揚げて粉末にしたものでとったスープを加え、スープが沸騰したら、【大麺】を入れて煮て、どんぶりによそってから肉臊をのせ、ほんの少し白胡椒をふります」とのこと。

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。