「小説ドラゴンクエスト4」、子どものころ読んで本に興味を持つきっかけとなった小説だから、思い入れがありすぎて、一つ一つの場面に泣きそうになりながら少しずつ読んでいてやっと再読完了。
何度も読んだから大体のことは覚えていたけど、小説版はピサロとロザリーの物語なのだと再確認。いのまたむつみさんの挿絵も素晴らしく、とくにピサロが慟哭するイラストはいまだに胸が痛くなる…。
勇者に起きた出来事もちろんマーニャとミネアの身の上とか鬱屈したもので物語の展開も結構シビアだなと。
トルネコ主役の三章は児童文学風、マーニャとミネア姉妹の四章は当時のラノベっぽさがあるのだと気付く。
章ごと一人ひとり個性が描かれ最後に勇者登場なのと、ピサロとロザリーの存在感が強すぎて存在感薄めだとも…。
でも長いお話から精髄だけえりすぐられたエピソードの数々は重要な部分はばっちり描かれていて濃度高く、客観的に見ても本当に傑作なのだと改めて思った。
あとホイミンが人間になることやピサロナイトの因縁は、当時出ていた「知られざる物語」の要素が入っているのだと気づいた。
これらの作品は物語を補完する上で役に立つしドラクエ好きなら余白埋める要素と膝打つ部分がたくさんあるので読んで損はないです。
小説版は5が最高傑作なのだけど探さなければ…。
「知られざる伝説」や「アイテム物語」を手掛けた横倉廣さんの解説の最後に、
【マンガは読むけど、ゲームは好きだけど……小説はなんかはどうも苦手。そんなひとがこの本をきっかけに小説を、物語ってやつを好きになってくれたなら、それって結構素敵なことだと思います。】
と書かれていて、いまの自分を予言したかのような文章にさすがに涙がこらえきれなかった…。