「愛の渇き」読了。
作者の分身ともいえるガーダを中心に繰り広げられる物語。満たされない『愛の渇き』に剥き出しの心臓を鷲掴みにされているような苦しさを覚えつつも、読まずにはいられない…。読者も共依存に陥るような恐ろしいほどの孤独を共感してしまう作品でした。
「われはラザロ」読了。
狂っているのは、世界か、それとも…。登場するほぼ全ての人々の心に戦争が影を落とす…。おなじみの不条理な物語もあるけれど境界線に閉じ込められ恐怖を拒絶する虚無と喪失を抱えた登場人物たちに愛おしさを感じるカヴァンの中では異色の短編集。
「あなたは誰?」読了。
熱帯の気候と寒々とした夫婦生活の描写に息が詰まり、抱えた虚無に希望は吸い込まれて孤独に慄く作者の内面をさらけ出した自画像である主人公に同調するのも憚られるのに引き込まれ読んでしまう作品。中盤ある"趣向"に驚き。自伝小説でも作風は変わらぬ良作。
続きます。
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