読了 アンナ・カヴァン/氷
フォロワーさんにおすすめして頂いて読んだ作品。
展開がジェットコースターみたいだった!
場面がシームレスに移り変わっていくので、翻弄されつつ物語にグイグイ引き込まれて行った。
「氷」という世界を浸潤していく不条理から逃げつつ強烈な美少女を追いかける主人公たち。
こんな世界で何やってんだよ!という気持ちと、こんな世界だからこそ追い求めるのかな?という気持ちがあった。
サディスティックな母親に虐待されて育った幼少期、今度は恐怖の権化のような長官と信頼の置ききれない「私」に追いかけられるアルビノの美少女。
これを浅い考えで「少女」=作者、男たち=薬物と考えると作者(少女)の薬物からの(男たちからの)自立、という一つのテーマが見えてくるけど、そんな浅いものではないんだろうな…。
深い、深いよアンナ・カヴァン!
カフカの作品には強い孤独を感じるけれども、アンナ・カヴァンにも凄まじい孤独と荒廃を感じる。
衝撃的な読書体験が出来た。