おすすめです。
『ガザ日記:ジェノサイドの記録』(著者:アーティフ・アブー・サイフ、訳:中野真紀子、地平社)。
https://chiheisha.co.jp/2024/05/01/9784911256060/
作家で、パレスティナ自治政府の文化大臣でもあるアーティフ・アブー・サイフ氏が、15才の息子を連れてガザに里帰りしたところ、イスラエルによる攻撃が開始され、ガザから身動きがとれなくなってしまいます。
10/7、久々に故郷の海で泳いでいたら、攻撃が始まって、ロケット弾が飛んでくるのを見るという場面からこの本は始まります。
そのときは、演習だと思っていた氏は、すぐにそれが本当の攻撃だったことを知り、そして後に、自分と同じときに同じように海で泳いでいて、被弾して亡くなっていた人もいたことを知ります。
そういう「紙一重」のところで自分は生き残った、しかし、そうでなかった人もたくさんいる、という経験の連続が書き連ねられた、希有な記録文学です。