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今日の朝日新聞のページに、長谷川テルに関する記事がありましたが、なんだか政治性をぼかして書かれた感じのよくわからないエッセイで残念でした。

エスペランティスト・長谷川テルは
「皆さんの熱い血を流し間違ってはなりません。敵は海を隔てたここにあるのではありません」
と戦争中の中国・重慶から、日本に向かってラジオ放送を行った平和活動家です。

エスペラントは、言語の違いを越えて平和な社会を築く志ある人々によって作られ、使用されてきた言葉です。現在でも基本的にエスペランティストの方たちにはそういった平和への指向が受け継がれています。

そうした「言語」であり「平和思想」であるエスペラントをテルが学んだのは、日本が坂道を転がるようにあからさまな軍国主義になった1930年代です。

彼女は、エスペラント仲間の中国人留学生と結婚、中国に渡り日本の侵略を批判、平和をめざす人びとと共に活動しました。

高杉一郎『中国の緑の星 長谷川テル反戦の生涯』は、アジアをファシズムから解放する運動の同志として、中国で交流のあった安偶正(安重根の甥)がテルを歌い上げた詩の引用から始まります。

今私たちが彼女に見いだすべきは「語学に思い悩む女学生」という卑近な姿ではなく、理想を持って学び、よりよき社会のために活動した在り方でしょう。

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