少し前、北海道新聞の若い記者が取材中に(不法侵入で)捕まったのに新聞社が全然その人を守ろうとしなかったことがありました。こういうことがまかり通っている今のマスコミはおかしいと思います。
記者の職業的行為は正当行為であり、違法性阻却事由になりうるということが最近は忘れられすぎではないでしょうか。
仕事として手術をする医師が傷害罪で捕まることがないのと同じように、ジャーナリストというのは、仕事上必要な範囲で法律を破ることが一定程度認められている職業です。
「ルールを守る」だけでは、社会の木鐸としてのジャーナリズムの役割が果たせないことが明らかだからです。
些細な事件(少額の窃盗犯とか)ならいざ知らず、
「ルールを守る大人」たちが恐ろしい事件を隠蔽して構造的に再生産しつづけてきたのだから、それを暴く側は「ルール」を破るしかないですよね。そして、報道というのはそれが本来の仕事です。
「大人」が子どもたちにみせるべきなのは、「空気」を読み「ルール」を守る姿ではないと思います。自分たちに都合良く「ルールを守れ」と言う人たちがどのように平然と人を踏みつけにしているか、その構造を明らかにする姿だと思います。