そういえば、関西生コン労組弾圧事件のドキュメンタリ映画ができたみたいですね。
海渡雄一さんが紹介している。
「・・・他方で、この事件ほど、闘う労働組合の姿が、ネット上の動画配信によって歪められて伝えられたケースもないと思います」
「・・・しかし、生コン支部事件では大資本に屈した協同組合は、ヘイトスピーチを繰り返している瀬戸弘幸氏らに月70万円の報酬を支払い、組合事務所を襲い、反撃する組合員をビデオで撮影し、生コン支部を組織犯罪集団のように描く多数の動画をユーチューブ上に配信することによって、この無法な弾圧に対する社会的な非難が高まらないように仕組んだのです。
そして、この工作は、多くのメディアが、この問題そのものをほとんど報道できなくさせるという顕著な効果を生み、また、多くの労働組合が、この弾圧の本質を知って支援に立ち上がることを困難にしてしまいました。
ジャーナリズムにおいて、この問題を取り上げて問題にしてくれたのは竹信三恵子さんや安田浩一さんなど、本当にごく少数でした」
最近、韓国でも貨物連帯という労組のストライキ(主にセメントを運ぶ輸送労働者によるもの)が尹大統領政権によって壊されるということが起こったのだけど、そのことについて書かれた文章のなかでこんな箇所があった。
「 私は車主たちの「収入を増やす」ことがなぜいけないのか分からない。政府は、彼らが働かなければ「国家経済に非常に深刻な危機」を招くという理由で業務開始命令を発動した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領によると、彼らが働かないことは韓国にとって「北朝鮮の核級」の脅威だ。産業界と政府は貨物連帯が2週間もストを行ったせいで、実に4兆ウォン(約4180億円)の被害が発生したという。それだけ韓国経済にとって重要な労働だと政府は認めたのではないのか」
「 歌手のイ・ランの歌「オオカミが現れた」は、10月16日の釜馬(釜山と馬山)民主抗争43周年記念式で歌われる予定だった。行政安全部の介入で取りやめになったという問題が起きた。この歌では、苦しい身の上を訴えながら城門を叩く弱者たちにこのような非難が浴びせられる。「暴徒が現れた。オオカミが現れた」」
イ・ラン(이랑)さんの歌「オオカミが現れた」(늑대가 나타났다)はYou Tubeで聴けます。
食べるものもない、貧しい「私たち」がやむなく声をあげようとすると、「魔女が現れた」とか「暴徒が現れた」とか「狼が現れた」と言われるのだ、という歌です。
画面の右下の歯車マークを押して、字幕の設定ができるので、そこで日本語字幕が選べます。
竹信三恵子さんが雑誌「世界」(2020年2、3、4月号)に書かれた生コン事件ルポは本当に衝撃でした。
たぶん、「世界」での連載内容がまとめられたのがこの本だと思います。
「賃金破壊
労働運動を「犯罪」にする国」
竹信 三恵子
https://www.junposha.com/book/b593282.html