中之条ビエンナーレ2023、会場の一つの山の上庭園で週末がらみの日程だけ提供される自主企画「架空民族料理」。学生の屋台ではという予想は完全にはずれ、一流の料理人による実験料理だった。
中之条の伝統的な山村暮らしに取材した食材と、料理人自身が山にはいって採取した木の実、ベリー類、香草を使ったもの(林間にフランボワーズが自生しているそうで、伝統的な中之条の食材ではないものの現にあるので、青い松ぼっくりといっしょにジャムにしたとのこと)。昔は米は希少だったので小麦と雑穀を使い、水も貴重だったので煮るのは動物脂肪の油という調理方法。そんな解説を料理人から聞いたあとに、客は庭園で自分の手で摘んだ生ハーブ(ミント、タイム、オレガノなど)といっしょに食する。
料理人は千葉の松戸に店を持ちながら、昨年から六合地区に生活拠点を移したとのこと。15年前から続く中之条ビエンナーレを触媒に群馬の山奥にアーティストが集まりつつあるようす。