日本の報道では注目されていないけど、戒厳令の中身には強権的な報道規制が含まれている。だから『1987 ある闘いの真実』は新聞社が主軸になっているし、『タクシー運転手』はいち市民が記者を現場につれていく物語だ。一昨日もそれは同じで、国会前で取材していた記者たちは、報道の中立性を肝に命じながらも切迫した"自分事"として取材に当たっていたと思う。
この規制は当然、国外の報道機関にも適応される(『タクシー運転手』で現地取材に挑むのは外国人記者だ)。しかし速報もろくに出さなかった日本のメディアは、自分達が危機にたたされたことすら認識していないようだ。