ものすごく今さら『犯罪都市4』の不満点を述べる
『犯罪都市4』
あらすじ:マドンソクが強い!以上!みたいなシリーズだし、その意図は勿論きちんと果たされているのだけど、今回はちょっと乗れない部分が多かった。原因ははっきりしていて、ドンソク兄貴演じるソクトのやり方が警察組織に認められる描き方になっていること。
これまでもソクトは拳で勝負の違法な捜査&取り調べをしまくってきたし、なんなら海外に行ってまで現地警察ガン無視の強行を繰り返してきたわけですが、それらは常に「警察のルールに反した行為ですよ」という但し書きと共に描かれてきた。思いきりアクションするための言い訳であるにせよ、但し書きがあるからこそこっちも漫画的フィクションとして割りきって楽しめる作りになっていたと思う。
ところが今回、ソクトは複数の部署と連携し、海外の警察とも連携し、更には上層部のえらい人がソクトの努力を認める名言まで残してくれる。おまけにそれを演じているのは韓国で超有名な実際の元警察官(韓国初のプロファイリングチームを立ち上げた人)なのである。
これはさすがに一線を越えすぎじゃないだろうか。そっちが現実の警察の話をするなら、こっちもそれなりに現実的な批判をせざるを得ないんだけど?となってしまった。
ものすごく今さら『犯罪都市4』の不満点を述べる(おまけ)
まさに同時期に、その韓国初のプロファイリングチームをモデルにしたドラマ『悪の心を読む者たち』を見ていたので、そっちの方面からも残念だったのね。
『悪の~』では、旧来的な経験と勘に頼った捜査ではなく、科学的な証拠や分析に基づく捜査の大切さが描かれており、それに対立する最たる者として最初に登場するのが暴力的な自白強要による冤罪事件なのね。マソクトの手法はリアル路線で見れば完全にそういうものな訳で、プロファイラーが拳の取り調べ刑事を認めちゃダメだろ!となった。