7話も一気見しといて何だけど、今一つ乗れない。
善悪がハッキリした状況なら主人公が人をこらしめるのは楽しいけど、ゾンビ的な状態になる正体不明の感染症が拡大する極限状態で何が「正しい」かはすごく難しい問題じゃん。なのに主人公カップルだけを常に正しいヒーローとして描かれると独善的に感じてしまう。
しかも主人公は二人とも破天荒な設定なので言動が断定的で、殺す以外の暴力をためらわないし、"悪人"を遠慮なく罵る。そこがなんか、スカッとするよりはモヤモヤしてしまうんだよな。周辺キャラクターの人間描写が深いだけに余計バランスが悪い。こいつにだって言い分あるだろと思ってしまう。
思えば『コンクリート・ユートピア』にも極限状況で正義を捨てず戦おうとする義務警察出身の公務員が出てくるけど、彼は極限状況の興奮ゆえに家族を守るというマッチョな正義感が燃え上がり、結局は道を踏み外してしまう。そこが男性性への批判的な視点になってて面白かったんだけど、『ハピネス』にそういう批評性は見られないんだよな。イヒョンとセボムみたいな「強さ」を全肯定していてるのが本当に乗れない。
でもチョ・ウジンの演技がよすぎて最後まで見てしまうかも。演技が…上手い。