長い上にどうでもいい『VIVANT』批判 

TBSが海外市場を狙おうと本腰入れて作ったのが『VIVANT』だと知って結構ショックを受けた。ここまで本気で何もわかってないのかという意味で。
一挙放送を断片的に見た程度だけど(全編しっかり見るのはつらいクオリティだった)、見終わった感想は「日本のテレビ局は海外に売り込む意欲なんて皆無で、国内でヒットすれば満足だし彼らにとってはそれが成功なんだろう」だった。終盤で特に顕著になる日本スゴイ過多な展開、国際情勢を扱う手つきの雑さ、外国人をなめきったキャラ造形、昭和おやじの体臭がしてくるジェンダー感。何から何まで古くさく、典型的な内輪向け日本作品に思えた。
それが、え、Netflixで?海外にうけると??本気で思ってたの???
開いた口が塞がらないとはこの事よ。前著した内容の問題(及びその根底にある価値観の古くささ)もさることながら、『VIVANT』は金のかけ方も典型的な日本のダメ大作だった。海外に行ってバーンと広大な景色を写して人がたくさん出れば豪華だろ!というバブル期の発想。でも国際的に見ればたいした予算じゃないから、例えばインド映画のような豪華絢爛さは全くない。結局安っぽいハリウッドの真似事みたいになってしまう。これはマンガの実写化でも本当によく見るパターン。

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長い上にどうでもいい『VIVANT』批判 

今Netflixで見てる『殺人者のパラドックス』は小規模な話だし韓国の配信作としては平均的なクオリティだと思うけど、それでも一般家庭の美術ひとつでオッ!と思わせる魅力がある。なんていうか画面作りが4K解像度。でも日本の映像作品は一目見てルックが圧倒的に貧乏臭いんだよ。美術も衣装もカキワリに見える。せっかく予算があっても映像密度はスカスカなまま規模だけ大きくする方向に行くのね。韓国作品が一億かけて一食を充実させるとしたら、日本のダメ作品は居酒屋クオリティのまま品数だけ増やすことを考えちゃう。手を広げることだけが豪華さだと誤解してる。
配信サイトはどの国のどの規模の作品も同じ手段と金額で見れるんだよ。予算に関わらず同じ地平で戦わなきゃいけない。日本基準で金をかけたところで国際的に見れば予算は少ないんだから、スケールで勝つなんて絶対に無理ですよ。小規模でいいからオリジナリティのある世界を濃密に作り上げ、脚本にしっかり手間と金をかけ、キャスティングも国内のネームバリューじゃなく実力重視で新人を発掘する必要がある。
でもそういうこと全然やってないじゃん。ひとつもやってないじゃん。だからヒットする要素がないじゃん。だからヒットしなかったじゃん当たり前体操!

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