バーベンハイマーはアジア人軽視でもあるから当然ダメなのだが、一方で「日本の植民地は核兵器のお陰で解放された」という認識が支持され続けているのは日本政府の責任も大きい。
「確かに植民地は悪かった、しかしそれは核兵器を正当化しない」と言おうにも、まず前段の「植民地は悪かった」を断固として言わないんだもん。そりゃ次の話に進めないよ。

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私がこの認識を強くしたのは、サーロー節子のドキュメンタリーで見たある場面がきっかけだった。
アメリカで核兵器廃絶の講演をして回る彼女に、中国系アメリカ人の学生が「日本は他国に散々酷いことをしたのに、なぜあなたは核兵器の被害ばかりを言うのか。私にとっては戦争を終わらせてくれた必要悪だ。」という主旨の意見を述べる。
学生とサーロー節子は公演後に話す機会を設け、学生も最終的には納得というか和解するのだけど、この時サーロー節子は核兵器を無くすためには核の話だけしていてはダメだ、と強く感じるんだよね。
もちろん論理的に言えば植民地支配と核兵器はまったく別の問題であり、それぞれに悪いし、それぞれに批判すべき。でも日本に対して「どの口でそれを言うんだ」と思う人々がいるのは当然で、それがまた核兵器を正当化したいだけの人に利用されたりもする。
日本政府はそのようなしこりを取り除く努力をしてこなかったし、一方で反核もろくに言ってこなかった。そこには日本政府側の責任がある。 [参照]

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