今日メルボルンで観た展示を紹介します。
1. From the other side (Australian Centre for Contemporary Art)
ホラーがテーマで「ホラーの超越的な喜びと解放を考察するため、フェミニスト、クィア、ノンバイナリーとしての観点を内包し、焦点を当てた」展示です。
モンスターとしての女性像や、近年はやりの魔女を扱ったものが多め。オーストラリア内外のアーティストの作品が展示されていました。
添付写真は明かりが脈動する小屋の動画、異音を放ち定期的に絶叫する黒いテント、ショベルカーのショベル部分でふつふつと沸き立つ緑の液体。不穏さに満ちた展示ぞろいでした。
acca.melbourne/exhibition/from

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2. Buxton Contemporary
メルボルン大学内のギャラリー。メルボルンの作家で日常的な物を主題にするNadine Christensenの、20年間の創作物の個展です。ハエや鳥、椅子、懐中電灯などのモチーフ多し。
売店内で展示されていたThe Surface Libraryは、大学の課題で生徒たちが集めた様々なものの表面だということでした。たぶん販売か配布をしていたのでは。

3. The Ian Potter Centre: NGV Australia
オーストラリア国内作家に特化した、ヴィクトリア国立美術館の別館です。トリエンナーレをやっている本館より人出はぐっと少ないです。
まず印象的だったのは、20世紀中頃にオーストラリアでは世界大戦の不安を背景にシュルレアリスム絵画が流行り、Sam Atyeo, Russell Drysdale and Jean Belletteといった当地の画家を生んだという話。
また、何人もクィアな現代作家が収蔵されているのですが、Drew Pettifer (1980-)の
動画Untitled (Bram) Untitled (Ruel) (2020)は青年ふたりがじっとこちらを見てくるだけの動画作品でした。解説によると、オランダの西インド会社の船が、1727年に若い水夫2人を同性愛の罰として東オーストラリアの島に置き去りにした記録があり、「この残酷な事件が、オーストラリアの西欧系クィア史の始まりである」件が忘れられないように作られたものだそうです。

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