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ザキヤ・ダリラ・ハリス『となりのブラックガール』(岩瀬徳子訳、早川書房)を読みました。 
「ゲット・アウト」×「プラダを着た悪魔」と評されたそうです。大手出版社でアシスタントを務める黒人女性が主人公のスリラー小説で、しかけにSF要素があります。ひとことで表せば、現実の絶望的な状況に対して投げつけられた皮肉のような本。著者デビュー作。
良く書けているのは罪悪感で、マイノリティの中では恵まれている点や、忙しさのため善や公正のために活動しきれず心痛める描写は迫真です。また日々の会社生活にひそむマイクロアグレッションの数々も。日常は活写されています。
うまくないのは、章による視点人物シャッフルがハードルになって長く感じさせる点。スリリングではないです。もっと緊迫しているほうが好みですし、効果的だったのではと感じました。
過剰さやグロテスクさは控えめで終始現代の日常を書いているのとオチの超常性が連続しておらず、溝がある感じがします。
解説はHIPHOPで知られる音楽ライターの渡辺志保さんでした。Huluで映像化済みです。
hayakawabooks.com/n/n99d6b3d1e

翻訳者の岩瀬徳子さんは、厭な人間心理を描いた訳書が多いですね?<オテッサ・モシュフェグとか

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