本の中身は警告や解説と共に当初の通りアクセスできるようにしたほうがいいと思います。
問題は、著者の行動に問題があったほう。

-作品と作者は別とはいうものの……。
-「私刑・風評被害は絶対ダメで、社会に生きる以上は罪刑法定主義を貫くべき」と、「訴えるのにも困難が伴うし、常にうまく証拠を押さえられるわけではない」「本人が亡くなってうやむやになっている」のせめぎあいの問題。

たとえば私は人にアシモフやクラークを「勧める」ことはないし、通史やテーマを語る上で話さざるを得ない場合は、自分なら警告や注釈を入れると思います。

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(承前)その古典作家にどういう問題が? 性加害に言及があります。ゲイフォビアックな発言の紹介があります。 

アシモフはかつて、イベントで女性に許可なくボディタッチするともっぱらの噂になっていたそうで、複数人の体験談があります。
1987年のSFWAの出版物に掲載された、アルフレッド・ベスターの追悼記事に、アシモフはこんなことを書いているそうですーー故ベスターはいつも自分をがっしり抱きしめて頬にキスをしてくる上、かわしても追いかけてきた。あれで私は、若い女性が私を警戒する気持ちがわかった。キスやハグは男の特権(※意訳するなら、甲斐性でしようね)だと思っていた。ベスターが私を改心させるためにああしていたとは思えず、あれは素だろう。
はたして素ですかね? ともかく本人がこれを書いているということは、まちがいなく問題は起こっていたでしょう。

クラークは移住したスリランカで男児買春の疑惑が濃厚(交遊関係にそれで国外追放になった人物がいる。かつて買われたり手を出されかけた複数人の証言がスクープされる。少年を持ち帰るためのクラブに通っていた)ですが、告訴した被害者がいなかったため、事実が解明されぬままになっています。
クラークはバイ/ゲイをほぼ公にしており、スリランカの同性愛運動の支援者でした。

悩ましい 

アシモフはベスター逝去後に“思い出”にするのではなく、いやなことは生前にはっきり拒否しつつ自省すべきだったし、ベスターの意図がなんであれ一種の面白エピソードみたいに書かないほうが良かったでしょう。
クラークの件も、スクープ記事にセンセーショナル第一主義や同性愛への偏見がなかったかを考慮する必要もあるのではないかと思っています。

創作物や偉業、本人のマイノリティ性とそこへの世間の攻撃、時代性、違法、非倫理、それぞれの観点から考える必要もありそうです。
2019年には、David Garrowが発表したキング牧師に対するセンセーショナルな発見と、それへの批判(根拠となるFBIの観察記録にそもそもバイアスがあった可能性もある、黒人運動を弱体化させる武器として本件が利用される問題がある等)もありました。

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