日本版の『マーダーボット・ダイアリー』表紙については、もちろん安倍吉俊さん絵で惹かれて手に取る方もいるのだろうけれど、個人的には顔が描かれたのは結構ショックに近い感覚でした。
出版社と違って私は本を売るプロでもなんでもないので、プロが日本では顔を用意しないとダメだと思ったならそうなのかもしれません。しかし顔を用意しないとダメという状況自体が残念ですし、そこは既存の観念を揺るがしてほしかったです。
実際、ほとんどの言語版では顔が確定しないように配慮されたわけですし。

顔があること自体に微妙な気分になる理由、他人の外見についてあれこれ言ってもいいムードがある国と無い国があって、日本がまだまだ前者だと思い知ることが多いからですね。

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ジェンダーや人種を特定できない姿で、という指定がありそうな絵ですけれど、とはいえ肌の色がとても暗い感じはしないじゃないですか。特に2巻以降は。想像の余地が制限されてしまうのではないかと思うのです。
(もちろん、表紙にとらわれずに自分で想像する読者もいるとは思います。私も表紙はよく見ずにまず読み通すことのほうが多いです。カバーかけたり、電子書籍だったりすると気になりにくいですし)

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