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【2024年観た映画・2】インフル病みのペトロフ家

めくるめく悪夢を見せたいにしても、もう少し要所要所を面白く見せられないもんだろうか。ただただ「なんだろなあ」という気持ちになるシーンが前半1時間以上続く。とくにユーモアがあったりチャーミングな人物が出てきたりもしないので、誰かに移入することもない。突然セックスや暴力が差し込まれる。それがまさに悪夢っぽさなんだろうけど、楽しくない。人の夢の話ほどつまらない話はないと言うが、つまらない悪夢を撮影技術や映像のレトリックを凝らして再現して見させられる退屈さ。

ようやく後半にあの人とこの人がここで繋がってて、というような仕掛けが見えてくるが、それが何か大きな感慨を生むわけでもなく外連味しか感じられない。

このような実験をしたいのであれば、せめて2時間以内に収めて欲しかった。見直せば新しい発見があるかもしれないが、長さと各シーンの魅力の不足でやる気は起きない。

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