剪灯新話版の「主人公(喬)が死んだ後、女の霊(符麗卿)と女中(金蓮)と連れ立って悪さをするようになったので、道人に懲らしめられ(以枷鎖押女與生幷金蓮倶到。鞭箠揮扑。流血淋漓。)、裁きを受けた後地獄に落とされる(押赴九幽之獄)」というところですね。
ここは剪灯新話版オンリーで、伽婢子にも圓朝版にも受け継がれていません。なので(死語の)主人公が完全に悪として扱われ/裁かれるのは剪灯新話版のみです。
一方伽婢子版のラストはというと、「墓に引き込まれた主人公(荻原)の死体を僧が発見、その後女の霊と女童と連れ立って歩く様子が度々目撃されたため、主人公の親族がそれを嘆き、一日頓写[※追善供養の為に大勢の者が一日で法華経等を書き写すこと]を行ったところ、霊は出なくなった」という仏教説話らしい終わりになっています。