「図体ばかり大きくなったってカッコマンにはなれないよ」
「はあ……?」
「まあ、身の程は弁えるんだね」
「何の話ですか?」
「またまた。君も目指しているんだろう? カッコマン・キングを」
「カッコマン・キング」
「知らないのかい?」
「知りませんね」
「そいつは坂上君、アンテナが弱すぎるよ。弱々だ。FMの電波も拾えていない。カッコマン・キングというのはね、巷で話題のカッコマンの中から選ばれる、カッコマンの中でも最強にカッコマンな男さ。世に居るカッコマンは皆、カッコマン・キングを目指して自己鍛錬しているのさ」
「はあ……。じゃあ、風間さんも自己鍛錬しているんですか?」
「僕が? まさか。僕は存在そのものがカッコマンだからね。鍛錬する必要なんて一つも無いのさ」
「そうですか」