④ 親と子の相性
この映画では母が自分の娘を愛することをなかなかできない―その葛藤を描いていた。それは母が「下のものを慈しむ気持ち」がなかったからではなく、その気持ちが娘の求めるものと一致していなかったからと言える。
これはホロスコープにおける相性問題と同じで、「上の者が下の者を慈しむ気持ち」にもスタイルがある。火的であったり、地的であったり、風的であったり、水的であったり。その自分が表現しようとするスタイルが、子供の求めるスタイルと一致しないと、母は(娘も)葛藤することになる。
自分は風的に子供を慈しもうと思っているのに、子供は水的に慈しまれたいと思っている。そうなると、子供は親の思っているように行動(考え)してくれなくなり、不満・イライラを感じるようになる。
・ なんで…?どうしてなの?ねぇ、どうしてなのっ!!!!
これは親となった人が誰しも経験することではないだろうか。自分が思い描く理想的な親子関係にならない。
だが逆に、もしそういう理想的な親子関係だったら、人は健全な自我を形成できなくなる。母子一体化という執着的意識によって。
※ それは母(ルミ子)にとっての実母への想い=関係性に現れている。