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② 記憶の改ざん

こういう記憶の改ざんは私たちの生活でもごく普通に行われている。それは記憶の本質に関わるテーマであり、記憶とはあくまで「自分の主観世界を形作る意味付けの体系」にすぎないから。

・自白の研究(浜田寿美男著)
・自白が無実を証明する(浜田寿美男著)

母は「世界が美しくあること」が何よりも大事だった。母は娘のことを思い、娘は母のことを思う。そこに齟齬などあってはならず、一心同体の存在として、考えも感情も価値観もすべて一致していなければならないと。それが彼女にとっての「美」であり、そのためにすべてを捧げると。

娘は「世界が正しくあること」が何よりも大事だった。愛しあっていない父と母、自分(娘)よりも祖母を愛している母、母を裏切って浮気する父、精一杯尽くす母に感謝のかけらもない義理の祖母、娘なのに愛してくれない母。理不尽で、正しさのない世界に、強い義憤を感じていると。

そういうそれぞれの価値観を投影して世界(人・モノ・出来事)を見るから、そこで起こった出来事に対して、自分の色付けをしてしまう。

記憶とは起こった事実に対して、自分がそれをどう思ったか、どう感じたか、どう味わったか―という主観的な印象のこと。

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